2025年3月28日金曜日

職人から見た家づくりのホンネ 第3回:宿泊施設の資産価値を上げる「枯山水の庭」の力とは




こんにちは、「大工のおっちゃん工房」です。
私は大工として40年以上現場に立ちつづけながら、一級建築士として住宅や宿泊施設の設計にも携わってきました。

この数年、旅館業や民泊運営に関わる方から「小規模な庭でも印象を良くしたい」というご相談を受ける機会が増えてきました。
とくに、外構や庭づくりを“宿のブランディング”や“資産価値”の一部と捉える方が増えてきたことを実感しています。

今回は、限られた敷地でも日本らしさを演出できる“枯山水”の魅力と、収益性・価値向上の視点から見た外構の意義について、
現場を知る職人目線からお話ししたいと思います。


宿泊施設の「仕上がり」は庭で決まる

民泊や簡易宿所を運営されている方と話していると、
「建物自体は整ったが、外構は後回しにしてしまった」という声をよく耳にします。

けれど、実際に宿泊客が到着して最初に目にするのは、玄関アプローチや外まわりの景色です。
そして、滞在中にふと目をやるのも、窓の外やウッドデッキの先にある“庭の表情”だったりします。

つまり、庭や外構は「宿泊体験の最後のひと押し」になる要素であり、リピートや口コミに直結する部分なんです。

資産運用の観点から見ても、「外構の整備=投資効果が見えにくい」と思われがちですが、
近年では「宿泊単価を上げる空間演出として、庭が重要視されている」という流れがはっきり出てきています。


枯山水が選ばれる理由:「省メンテナンス × 高演出性」

小規模な宿や都市型の民泊では、「スペースがない」「水を使うのが難しい」という事情も多くあります。
そうした中で注目されているのが、水を使わずに山水の風景を表現できる“枯山水”です。

枯山水の魅力は以下のような点に集約されます:

  • 維持費が抑えられる(水を使わない・植物の管理が少ない)

  • 限られた面積でも成立する(1〜2坪でも印象的)

  • 和の空間として海外客に評価されやすい(文化的価値が高い)

  • 室内からの“借景”としても映える(窓越しでも体験価値がある)

このように、コスト効率と空間演出のバランスが極めて優れているのが、枯山水の最大の強みです。

たとえば、宿泊単価8,000円前後の施設であっても、枯山水の設えがあることで「特別感」が演出でき、客単価を10〜20%上げられる可能性があると感じています。


見せるだけでなく、「記憶に残る体験」になる空間

収益物件として宿泊施設を運営する場合、「稼働率」と「単価」が利益の鍵になります。
その中で、差別化された体験価値を生む空間づくりは、競合と差をつけるための有効な手段です。

ある民泊オーナー様の事例では、わずか1坪程度の枯山水を設けたことで、
「日本らしさが感じられる」「チェックアウト前に庭を眺めてリラックスできた」などの口コミが増え、
Googleのレビュー評価が上昇し、検索順位や集客力にも影響が出たそうです。

これはまさに、「見せるための庭」ではなく、“心に残る体験の場”としての庭が、
宿のブランドや経営成果に結びついている好例といえるでしょう。


施工視点から見る「枯山水は合理的な庭」

現場目線で見ると、枯山水には非常に合理的な側面があります。

  • 水道・排水の設備が不要

  • 施工面積が小さくても成立する

  • 天候の影響を受けにくい(雨で汚れにくく、劣化も遅い)

  • 施工期間が短く済む

  • ランニングコストがかかりにくい

また、庭園としての施工が必要な場合でも、既存のスペースを活用しながらデザインできる柔軟性があるため、
建物とのバランスや周囲の環境に合わせた対応が可能です。

つまり、「初期投資に見合ったリターンが見込める空間演出」として、
コストパフォーマンスに優れた資産価値の創出につながると考えています。


まとめ:「空間の質」は、数字にも反映される

不動産投資や宿泊施設運営において、数字で測れる価値は非常に大切です。
でも、それを生み出すのは、宿泊者の「心地よさ」や「印象深さ」といった測りにくい価値だったりします。

枯山水の庭は、まさにその“目には見えにくい差別化”を実現できる空間です。
限られたスペースでも設置可能で、施工後の維持も容易。
それでいて、「この宿、よかったな」と思ってもらえる力を持っています。


(筆者のひとこと)

私は一級建築士として設計図を描き、大工として現場にも立ってきましたが、
どんなに立派な建物でも、庭や外構が整っていないと“仕上がっていない”と感じてしまうんです。

特に宿泊施設では、枯山水のようなシンプルで静かな空間が、
一番“記憶に残る場所”になったりします。
外構はコストではなく、空間全体の価値を底上げする「投資」として、もっと見直されるべきだと感じています。


 

住宅リフォームの境界線 /確認申請の規模か違うか?―大工建築士の視点から―




住宅リフォームと一言で言っても、その工事の規模や内容には幅があります。
ちょっとした修理からフルリノベーションまで、実際に現場で手を動かしていると、「これは大規模修繕に入るのか?」「確認申請が必要か?」と、線引きに迷うことも少なくありません。

今回は、大工であり設計の立場も持つ私なりに、住宅リフォーム工事の分類とその境界線について整理してみたいと思います。


1|日常的な「小規模修繕」

まず、一番身近な工事といえば、いわゆる「小修繕」。

・水栓の取り替え
・クロスの貼り替え
・一部の床材張替え
・網戸の交換

といったように、生活にすぐ直結するけれど、建物全体の性能や構造には影響しない範囲の工事です。
このあたりは施主さん自身がDIYでやることもあるくらいで、確認申請も不要。当然、建築基準法上の「大規模修繕」には当たりません。


2|ちょっと踏み込んだ「中規模改修」

続いて、設備の入れ替えや内装のリニューアルなどを含む中規模のリフォーム。

・キッチンや浴室の入れ替え
・間仕切りの変更
・断熱材の追加
・外壁の一部塗装や屋根の張り替え

などがこのあたり。
現場感覚で言えば、「足場が必要になるか」「職人が複数入るかどうか」がひとつの目安です。

このレベルになると、構造部に手を加えない限り、確認申請は不要であることが多いです。補助金も活用しやすく、「省エネ」「バリアフリー」などテーマを持ったリフォームもここに分類されます。


3|工事が生活に及ぶ「フルリノベーション」

では、フルリノベとなるとどうでしょうか。

・間取りの一新
・屋根・外壁の全面改修
・耐震補強や基礎の補修
・給排水管・電気配線の総入れ替え
・断熱改修と設備の一新

ここまでくると、居住しながらの工事はほぼ不可能ですし、仮住まいの手配も必要になるケースが多くなります。

個人的な感覚としては、「現地調査したときに“これはほぼ建て替えに近い”と思える工事」が、このレベルです。

この段階では、確認申請が必要になることが多く、場合によっては「大規模の修繕」または「大規模の模様替え」に該当してくる可能性があります。


4|「大規模修繕工事」の定義とは?

ここで整理しておきたいのが、建築基準法上の「大規模の修繕・模様替え」の定義。

主要構造部に手を加える工事が“過半に及ぶ”場合は、たとえ元の構造のままでも「大規模修繕」とされ、確認申請の対象になります。
逆に、たとえ工事費が高額でも、構造に触れず、意匠や設備の更新であれば「大規模修繕」には当たりません。

これがややこしいところ。
施主さんから見れば「全部やってるんだから大規模でしょ」と思われる工事でも、構造に触れてなければ申請不要だったりします。
一方で、ちょっとした耐震補強でも構造部に広範囲に手を加えれば「申請必要」になることも。


5|補助金工事は“大規模修繕”ではない

最近多いのが「補助金を活用した断熱・省エネリフォーム」。

この種の工事は、たとえ補助金対象であっても、「大規模修繕」に該当することはほとんどありません。
あくまで工事の内容と範囲が建築基準法に引っかかるかどうかが判断基準だからです。

補助金申請の書類と、確認申請の書類はまったく別物だというのも、意外と施主さんに理解されにくい部分です。


6|最後に:現場での線引きは「感覚+法知識」

最終的に、「これは申請が必要か?」「どの規模にあたるのか?」という判断は、設計者の法的な知識と、現場サイドの感覚の両方が必要です。

私自身、設計事務所に所属していた頃は法解釈の方を重視しがちでしたが、実際に大工として現場に入るようになってからは、「現場の負担」「住まい手の生活」も含めて判断するようになりました。

施主さんにとっては、申請の有無よりも「安心して住めるかどうか」が第一。
だからこそ、「どの工事がどこまでの手続きを伴うのか」をしっかり説明できる職人・設計者でありたいなと思っています。


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2025年3月22日土曜日

【第4回】建てる人間が主役になる社会へ ― 再構築のための現実的な提言




―連載完結:現場崩壊と再構築のはざまで―

私は、大工として40年、建築士として35年、国家資格10種以上を持ち、大手ハウスメーカーのアパート部門から、滑走路建設・地中杭工事・高速道路補修など、通常の施工店では踏み込めない現場にも数多く関わってきた立場から、この連載を書いてきました。

今回の最終回では、これまで示してきた**“事実”に基づき、業界再構築に向けて何が必要か**を、脚色なしで具体的に提言します。

この現場が、本来の意味で“建てる人間が主役”となる社会に変わるために――。


■ 現状は「現場任せの制度不在」がすべてを崩している

施工単価の引き下げ、無理な納期、契約不在、若手の不在。
いずれも“自然に起きた問題”ではない。
制度も仕組みも、長年放置された結果として、現場が限界を迎えているだけの話だ。

「自由な契約」「民間同士の責任」――この便利な言葉が、
あらゆる不正・圧力・責任放棄を正当化する盾になってきた。

実際に現場で手を動かし、命をかけて建てている者たちが、一番立場が弱く、リスクも背負い、声も届かない。
この構図を放置しておきながら、「技術が継承されない」「人が育たない」と嘆くのは、まったくの的外れでしかない。


■ 再構築に必要なのは「明文化」と「可視化」

現場が再び息を吹き返すためには、“あいまいな力関係”を明文化し、制度の中に取り込むことが必要だ。
以下は、私の立場から見た最低限の再構築案である。


① 標準契約の義務化

工事単価、支払い時期、追加工事の取扱い、現場責任の範囲――これらをすべて明文化した契約書を、すべての工事で交付・署名を義務化すべきだ。
「メールで済ます」「口頭で合意した」では、現場は守られない。


② 技能者の報酬基準と評価制度

公共工事ではすでに存在する職種別の技能評価や賃金モデルを、民間住宅にも義務的に適用すべきである。
実績・技術・責任に見合った報酬がなければ、若手が入ってこないのは当然の話だ。


③ 若手職人育成制度の強化

国が主導して、施工技術・安全管理・図面読解の実務教育を全国標準化し、教育機関と連携して設ける。
「見て覚えろ」ではなく、「教える制度」がなければ、人材は確保できない。


④ 情報格差の是正と元請けの説明責任

ハウスメーカーやゼネコンが発注時に提供する設計図や仕様書には、現場側の判断に必要な情報をすべて記載する義務を持たせるべきだ。
「現場判断で」と投げておいて、ミスは責任転嫁――この慣行は一掃されなければならない。


■ 現場を「守る」から「認める」へ

最後に、私は強く訴えたい。

現場を“守る”という言葉は、どこか弱者としての扱いに聞こえる。
だが、本来は違う。
現場こそが、業界の価値そのものを支えている。

泥に足をつけて建てる人間たちが、正当に評価され、発言し、責任と対等に向き合える仕組み。
それこそが、建設業界を根本から再構築する唯一の道である。


私は、誰よりも多くの現場を知っている。
そして、今、誰かが声を上げなければ、本当に“建てる人間”がいなくなる。

この連載で伝えてきたのは、すべて現実であり、すべて事実である。

**制度は意志から始まる。
声を上げる者がいなければ、何も変わらない。

私は声を上げる。今この瞬間も、現場で汗を流している人たちのために。**


これにて、全4回の連載は完結です。
最後までご一読いただき、誠にありがとうございました。


 

【第3回】誰が現場を守るのか?“民間任せ”を続けた行政の責任



―連載:現場崩壊と再構築のはざまで―

私は、大工として40年、建築士として35年、さらに国家資格を10以上有し、大手ゼネコンやハウスメーカーの協力会社として、特殊工事から住宅まで数多くの現場に立ち会ってきました。

現場のリアルを肌で知る立場として、今、建設業界の構造が危機的状況にあることを実感しています。

そして、これまでこの構造の崩れを“民間任せ”として放置してきた国・行政の姿勢こそ、見過ごしてはならない**“もうひとつの事実”**なのです。


■ 「制度の外」で戦ってきた施工店たち

住宅産業における多くの施工店や職人たちは、長年、“制度の保護外”で働いてきました。
建築基準法は建物の構造や安全を定めても、職人の待遇や地位には一切触れない
下請法は存在するものの、グレーな契約慣行には届かず、契約書すら交わさず仕事が始まる現場もまだ多いのが実態です。

特にハウスメーカーやゼネコンとの取引では、「言われた通りに動かなければ切られる」空気が根強く、発言権は事実上ゼロに近い。


【事例:法の網からこぼれる“グレー発注”】

中部地方のある電気設備業者はこう語る。
「図面が来て、すぐに現場入り。でも正式な契約書は出ない。後から“これは含まれていない”と報酬を減らされた」
下請法の“対象外”として発注者側が逃げられる構造。こうした発注慣行が建設業の信頼性を根底から壊している。


■ 若手育成も制度から外れている

職人不足が深刻と言われ続けているが、実際に国が現場に対して行ってきた支援はほとんどない。
公共工事では技能者評価制度や賃金目安が存在するものの、**民間住宅工事では完全に“空白地帯”**だ。
その結果、若者は入ってこない。育てる仕組みもない。育成を担ってきた中小の協力店が、いま次々と潰れている。

現場を支えてきたのは、制度ではなく、現場の意地と努力だけだった。


■ 【筆者の提言】行政は“知らなかった”では済まされない

私はあえて言いたい。
これまで国や自治体は、「施工店の地位」「職人の労働環境」について、あまりに無関心だった。

「民間同士の自由な契約」と言えば聞こえはいい。
だがその自由は、力のある側が弱い側を支配する構造を放置するための口実として使われてきた。

そして今、その放置のツケが一気に回ってきている。
施工力の低下、安全性の不安、若手の不在、技術継承の途絶――これらすべてが制度不在による“当然の結果”なのだ。


■ 誰が再構築のスタートを切るのか?

現場の限界はもう、現場の努力だけではどうにもならない段階に来ている。
必要なのは、以下のような制度の側からの本格的な再構築である。

  • 施工店との契約ルールの明文化と標準化

  • 技能者評価・報酬の公的基準の整備

  • 住宅現場における労働安全・工程管理の最低基準

  • 若手職人育成への補助金やキャリア制度の拡充

そして何より、行政が“黙認”ではなく“責任を持つ”という姿勢に切り替えること。
現場を知らない行政に、現場の声を届ける手段を整えること。


私は、誰よりも現場に近い立場から、この構造の崩れをずっと見てきました。

そして今、声を上げなければ、次の世代に何も残せないと確信しています。

建設現場は制度に守られていない。だからこそ、行政が動かなければ、未来はない。


次回は、いま業界が“本当に目指すべき再構築”のあり方について、提言をまとめます。
「建てる人間が主役になる社会」――その実現の可能性を探ります。



 

【第2回】図面通りにつくれば壊れる ― 設計と現場の断絶は“事実”だ




―連載:現場崩壊と再構築のはざまで―

私は、大工として40年、1級建築士として35年現場に立ち続けてきた職人です。
国家資格は10以上、建設業に関わる幅広い分野の実務を経験してきました。
ハウスメーカーのアパート部門、大手ゼネコンの特殊工事にも協力会社として関わり、滑走路建設・高速道路補修・地中杭といった通常の施工店では踏み込めない現場も数多く手がけてきました。

そんな私が、いま業界全体に崩壊の危機を感じているのです。
そしてこのコラムは、単なる意見や評論ではなく、“現場の事実”に基づいた警鐘であることを、まず強くお伝えしておきます。


■ 設計と現場の断絶は、目を背けられない“事実”

「設計通りにやってください」
この一言が、現場の苦労をすべて無視する言葉であることに、気づいていない設計者が多すぎる。
設計図の納まり、構造の整合性、設備のルート。現実には矛盾だらけの図面が今もなお現場に届いている。


【現場事例①】換気ダクトが構造梁に干渉

天井裏に通す設計の換気ダクトが、構造梁に干渉して物理的に通らなかった。
指摘すると「現場で対応を」と丸投げ。結果、断熱材を削り取って納めるしかなくなり、性能面に明確な影響が出た


【現場事例②】構造を無視した見た目優先の設計

大開口窓を設計通りに施工すれば、耐力壁の位置がなくなり建物が不安定になる。
設計側は「カタログ映えを重視したいから」と、現場の指摘を無視。
耐震性より“見せ方”が優先されるという本末転倒の判断が、普通に行われている。


【現場事例③】設計と現場が完全に断絶

図面を基に施工を始めたが、必要な情報が不足。補足を求めると、「現場判断でお願いします」。
ところが、後になって「図面と違う」と是正指示。責任はすべて現場に押しつけられる構図が、いまや常態化している。


■ 【筆者の見解】現場を知らずに設計を語る資格はあるのか?

私は、ただの職人ではありません。
大手ハウスメーカーのアパート部門、大手ゼネコンの特殊工事にも協力する立場として、さまざまな現場の実態を知っています。
その視点からはっきり言えるのは――

設計と現場がここまで分断されている今の住宅業界は、確実に壊れ始めているということです。

設計者が“商品企画の延長”のように設計を行い、現場を知らずに「工事を進めてください」と指示する。
そんなやり方では、安全性も品質も、信頼も守れない。

住宅は“売るもの”ではなく、“人が暮らすもの”です。
その意識が抜け落ちたままでは、いずれ取り返しのつかない事態が訪れます。


次回は、「この崩れた構造を誰が立て直すのか?」というテーマに切り込みます。
国や監督官庁が、“民間任せ”を続けたままで良いのか――今こそ問われています。



 

【第1回】協力店という構造はもはや限界 ― 住宅現場から突きつける“事実”




―連載:現場崩壊と再構築のはざまで―

ハウスメーカーの協力店という構造は、限界に達している。

これは感情論ではない。40年にわたり大工として現場に立ち、35年にわたり建築士として設計にも携わってきた私が、全国の現場で“実際に起きていること”を踏まえてお伝えする、揺るがぬ事実である。

かつては「信頼で結ばれた関係」だった協力店とハウスメーカー。だが今、その関係は支配と従属に変質し、現場は静かに崩壊しつつある。


■ 現場で今、何が起きているのか?

以下に紹介する5つの事例は、現場で実際に発生している“事実”である。
これを読めば、もはや「協力」という言葉が形だけであることは明らかだ。


【具体例①】単価の一方的な引き下げ要請

多くの協力業者が直面しているのが、「ハウスメーカー側からの工事単価の一方的な引き下げ」である。

例:某大手ハウスメーカーA社の事例
2023年以降、材料費・燃料費の高騰にもかかわらず、A社では協力業者に対して「単価の10%カット」を通達。背景には企業としてのコスト削減目標があったが、結果として小規模の協力店では赤字が常態化し、撤退を余儀なくされたケースも報告されている。


【具体例②】現場作業の無理な短納期化

例:関東圏の内装業者B社の証言(建築専門誌インタビューより)
「以前なら1週間かけていた作業を、今では3日で仕上げるよう求められる。しかも報酬は変わらない」
こうした短納期化が進む中、安全性や品質にも悪影響が出ている。人手不足の現場では職人の精神的疲弊も深刻で、若手の離職にも直結している。


【具体例③】下請法ギリギリの取引慣行

例:中部地方の電気設備業者C社のケース
「契約書を取り交わさずに仕事が始まり、後から『言った・言わない』のトラブルになることも多い」
下請法の対象にならないような巧妙な発注が横行しており、支払い遅延や未払いが問題化。法的措置に至らずとも、信用や経営へのダメージは計り知れない。


【具体例④】突然の取引打ち切りと専属契約の矛盾

例:九州の大工職人DさんのSNS投稿より(2024年)
「長年専属で仕事をしてきたのに、突然『仕事が減るから他を当たってくれ』と連絡が来た」
協力店側は他社との契約を制限されていたにもかかわらず、急な終了により仕事を失い、生活が一変した。専属契約に近い拘束がありながらも、保証は何もない現状がある。


【具体例⑤】若手職人の確保が困難に

例:北海道の左官業者E社の現場から
「低賃金と過酷な労働条件により、若手がまったく入ってこない。60代以上が大半で、先が見えない」
ハウスメーカー側が人材確保を協力店任せにしているため、技術継承が滞り、現場の力そのものが衰退している。


■ 協力店の崩壊は、業界全体の問題である

これらは一部の例ではない。私が直接見聞きしてきた“現場の事実”であり、今この瞬間も全国で同じことが起きている。

協力店は、単なる下請けではない。
図面だけでは成り立たない住宅を、実際にカタチにする、まさに“建築の根幹”だ。
それが崩れれば、住宅の品質も安全も維持できなくなる。

現場が壊れれば、産業全体が崩れる――。
これは、誰もが直視すべき現実である。

次回は、なぜここまで「現場の声が届かないのか」。
設計と施工の断絶という、もうひとつの構造的問題に切り込む。

 

2025年3月21日金曜日

今どきの不動産投資家4タイプ!成功事例と一緒に学ぶ"あなたに合った投資スタイル"




不動産投資に興味はあるけれど、「どこから始めたらいいのか分からない」「失敗したくないから一歩が踏み出せない」という方は多いのではないでしょうか?

実は今、不動産投資の世界では、従来のアパート経営や新築ワンルームマンション投資とは異なる、柔軟で多様なスタイルの投資家が増えています。

この記事では、今注目されている4タイプの不動産投資スタイルを、それぞれの特徴と実際の成功事例とともに紹介します。


タイプ1:築古戸建てDIY派

特徴: 少額資金で始められる / 自分でリフォームして利回りUP / 地方や郊外に多い

このタイプの投資家は、築30年以上の空き家や中古戸建てを安価で購入し、自らDIYやリフォームを施して貸し出すことで、高い利回りを狙います。近年では空き家バンクなどを利用し、物件を50万〜200万円台で購入する例も。

成功事例: 30代会社員のAさんは、兵庫県郊外の空き家を80万円で購入。週末にコツコツDIYを重ね、50万円程度で内装を整備。最終的に月額5万円で賃貸に出し、年間家賃収入60万円。2年以内に投資額を回収しました。

こんな人におすすめ:

  • 体を動かすのが好きな人

  • 少額で始めたい人

  • 地方物件に抵抗がない人


タイプ2:法人化して節税&複数棟所有型

特徴: 複数棟を保有しスケールを狙う / 税務戦略を意識 / 銀行融資を活用

法人化によって、不動産所得を効率的に管理・節税しつつ、複数棟のアパート・マンションを購入するタイプです。所得税・住民税の圧縮や、経費計上の幅が広がる点がメリット。

成功事例: 自営業のBさん(年収900万円)は、最初の区分マンション投資をきっかけに法人を設立。法人名義で一棟アパートを購入し、さらに築古物件をリフォームして貸し出すことで3棟目に到達。役員報酬の調整や法人税制を活かし、手残りキャッシュフローを最適化。

こんな人におすすめ:

  • 高所得者(年収700万円以上)

  • 本業と並行してスケールアップしたい人

  • 節税や融資戦略に興味がある人


タイプ3:出口重視の堅実派

特徴: "売れる物件"にこだわる / 都市近郊や好立地を選ぶ / キャピタルゲイン重視

このタイプは、賃貸収益だけでなく"売却時の価値"(出口)を重視します。立地や需要、資産性にこだわり、最初から売却シナリオを設計して投資するのが特徴です。

成功事例: 40代会社員のCさんは、東京都内のファミリー向け中古マンションを約3,000万円で購入。相場より安く購入できたことと、リフォームにより魅力を高め、3年後に4,200万円で売却。賃料収入と合わせて、実質年利15%を実現。

こんな人におすすめ:

  • リスクを抑えて安定運用したい人

  • 売却も見据えて動きたい人

  • 相場や市場分析が好きな人


タイプ4:民泊・短期賃貸系のハイブリッド型

特徴: インバウンド需要を狙う / 高稼働で高収益化 / 規制対応がカギ

観光地や都市部では、Airbnbやマンスリーマンションなど、短期〜中期賃貸のハイブリッド運用が注目されています。管理手間はありますが、稼働率が高ければ高収益に。

成功事例: 元ホテルマンのDさんは、京都市内の築古町家を1,500万円で購入。伝統的な意匠を活かしてリノベーションし、Airbnbで月平均稼働率90%をキープ。コロナ禍明けの観光需要回復により、年間収益は400万円超に。

こんな人におすすめ:

  • 観光や接客に興味がある人

  • 自主管理や運営を楽しめる人

  • 高リターンを狙いたい人


あなたに合ったスタイルを見つけよう

不動産投資には「正解」があるわけではありません。大切なのは、あなたの性格、資金、時間、目指すゴールに合ったスタイルを選ぶことです。

そして、実際に物件を買う前に、信頼できる専門家と相談しながら進めることで、大きな失敗を防ぐことができます。


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もしも富士山が噴火したら? 災害に強い住宅の条件とは




はじめに:富士山噴火の可能性と私たちの暮らしへの影響

「富士山が噴火するかもしれない」――最近、ニュースやSNSなどでこのような話題を目にした方も多いのではないでしょうか。国の調査によると、富士山は過去300年ほど噴火していない一方で、火山活動は今なお続いており、大規模噴火の可能性が完全に否定されたわけではありません。

もし富士山が噴火した場合、影響は山梨県や静岡県にとどまらず、関東一円、さらに西日本にも広がる可能性があります。火山灰による交通マヒや健康被害、停電、水の供給停止など、私たちの暮らしに直結する問題が発生します。こうした“複合災害”のリスクが現実味を帯びてきた今、「災害に強い家」とは何かを改めて考えることが求められています。


複合災害の時代に求められる住宅の条件

かつては「地震に強い家」だけで安心とされていた時代がありました。しかし近年では、地震、豪雨、暴風、さらには火山活動など、さまざまな自然災害が頻発しています。これらに複合的に備えることが、これからの住宅には求められています。

たとえば、富士山噴火に伴う災害では以下のような影響が予想されます:

  • 火山灰による換気機能の低下

  • 交通機関のストップによる物流の遅延

  • 電気・水道・ガスのインフラ障害

  • 避難指示による長期的な自宅避難の必要性

こうした事態に備えるには、単に構造が頑丈であるだけではなく、“生活を守るシェルター”としての機能が必要なのです。


災害に強い家の条件とは?

では、具体的に「災害に強い家」とはどのような家なのでしょうか。以下にその条件を整理してみます。

1. 構造体の強度(耐震・耐風・耐火)

建物の基本である柱・梁・基礎がしっかりしていること。特に日本は地震大国であるため、耐震性は最も重要な要素のひとつです。また、風圧や火災への備えも忘れてはいけません。特に木造住宅の場合、火山灰による乾燥や目詰まりが火災のリスクを高める可能性があります。

2. ゆがみ・傾きのない安定した構造

意外に見落とされがちなのが、建物の「垂直性」。

築年数が経過した住宅では、地震や地盤の変化によって建物がわずかに傾いていることがよくあります。この“わずか”な傾きが、災害時には倒壊や損傷の大きな要因となるのです。特に木造の2階建て住宅などでは、その影響が顕著になります。

3. インフラが途絶えた場合にも耐える生活設計

災害時には、電気・水・ガスが止まることを想定しておく必要があります。たとえば、以下のような備えが重要です:

  • 窓や換気扇のフィルター対策(火山灰の侵入防止)

  • 飲料水や非常食の備蓄スペース

  • ポータブル電源や太陽光パネルの導入

  • 避難袋や災害グッズの保管場所

家を単なる「住む場所」としてだけでなく、「自分と家族の命を守る拠点」として捉える視点が重要です。


「家まっすぐ耐震工事」が目指す住宅の未来

私たち「家まっすぐ耐震工事」では、こうした災害時のリスクを最小限に抑えるための“構造の補正・強化”に力を入れています。

特に注目しているのが、建物のゆがみや傾きの修正です。これは、新築住宅ではなく、中古住宅や築古物件に多く見られる問題であり、見た目ではわかりにくいにも関わらず、耐震性に大きな影響を与えます。

なぜ「まっすぐ」が重要なのか?

地震の揺れは、構造的に不均衡な建物に対して、想像以上の負荷を与えます。

たとえば、建物が傾いている状態では、柱に均等に力がかからず、一部の柱や壁に過剰なストレスが集中することで損傷が広がる恐れがあります。建物が“まっすぐ”であることは、地震や外圧をバランス良く受け止め、被害を最小限に抑えるための大前提なのです。


ご自宅の安全、見直してみませんか?

「最近ドアの閉まりが悪い」「床が少し斜めな気がする」――そんな小さな違和感が、建物のゆがみのサインかもしれません。

私たちは、オンラインでの簡易診断サービスもご提供しています。スマホでご自宅の写真や状況を送っていただくだけで、建築のプロが診断し、必要なアドバイスをいたします。

また、実際に工事が必要な場合には、地元・姫路を中心に、兵庫県内、さらには近畿エリアまで対応可能です。現地調査から工事、アフターフォローまで一貫して行いますので、安心してご相談ください。


まとめ:今こそ、“備える家づくり”を

富士山噴火は、決して「関東だけの話」ではありません。 火山活動の影響は全国に及び、私たちの暮らしに直接的なダメージを与える可能性があります。そんな今だからこそ、自宅の安全性を改めて見直す絶好のタイミングです。

私たち「家まっすぐ耐震工事」は、みなさまの“住まいの健康診断”と“命を守る家づくり”を全力でサポートしています。どんな小さな不安でも、まずはお気軽にご相談ください。

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2025年住宅事情!補助金助成金を使った家づくりの費用対効果とは?




2025年に家を建てようと考えている方の中には、「補助金や助成金を活用して少しでもコストを抑えたい」と考える人が多いのではないでしょうか。
たとえば、断熱性能や太陽光発電システムを導入すれば補助金がもらえると聞いたけれど、その分費用が上がるなら本当にお得なのか気になりますよね。

確かに、補助金は「もらえるお金」ですが、受け取るためには条件に合った仕様や設備投資が必要です。初期費用が高くなることもあるため、どれだけ得になるのかを事前に把握しておくことが重要です。

本記事では、2025年に使える補助金や助成金の内容を整理し、それぞれの制度を活用した場合の費用対効果を積算しながら具体的に解説します。
いくら支払って、いくら戻るのか。そして、最終的にどれだけ節約につながるのかを数字で比較しながら、分かりやすくまとめています。

補助金を上手に使えば、家計にゆとりが生まれ、将来にわたって満足できる家づくりが可能になります。
ではさっそく、2025年に使える補助金と助成金の仕組みについて詳しくみていきましょう。

【2025年 住宅事情 補助金 助成金】とは?

2025年に家を建てる際に利用できる補助金や助成金は、環境に配慮した省エネ住宅や地域資源を活用した住宅の普及を目的として、国や自治体が交付している支援制度です。
主な制度としては以下の3つがあります。

  1. こどもエコすまい支援事業
  2. 地域型住宅グリーン化事業
  3. 地方自治体による独自支援制度

まず、こどもエコすまい支援事業では、省エネ性能の高い新築住宅を建てる子育て世帯・若者夫婦世帯に対して、最大100万円の補助が出ます。
この制度は断熱性能や一次エネルギー消費性能が国の基準を満たしていることが条件となっており、特にZEH住宅(ゼロエネルギーハウス)などは有利です。

次に、地域型住宅グリーン化事業では、長期優良住宅やZEHなどの高性能住宅に対して、最大140万円の補助が出る仕組みとなっています。こちらは地域の中小工務店と連携した家づくりが必要です。

さらに、地方自治体による助成制度では、**定住支援金(30万~100万円)**や、**太陽光発電システムへの補助(10万~50万円)**など、多種多様な制度が用意されています。
これらをすべて活用できれば、合計200万円~300万円以上の支援を受けることも可能です。

では、これらの制度を利用するにはどのような費用が発生し、どのような費用対効果が得られるのでしょうか?次の章で具体的な積算を行っていきます。

【2025年 住宅事情 補助金 助成金】で浮く金額と使う金額を積算!

ここでは、実際に補助金を得るためにどれだけの費用が必要で、結果的にいくらお得になるのかを明確にするため、モデルケースを使って試算します。

【モデルケース】

  • 建築内容:木造2階建て・延床面積35坪(約115㎡)
  • 建築費用(標準仕様):約2,500万円
  • 建築費用(高性能仕様):約2,650万円(ZEH+長期優良住宅)

【追加コストの内訳(高性能住宅にするための費用)】

  • 高断熱仕様:+50万円
  • 高効率給湯器・換気設備:+30万円
  • 太陽光発電システム(4kW):+70万円
  • 長期優良住宅申請・設計対応費用:+20万円
  • 合計追加コスト:+170万円

【得られる補助金・助成金】

  • こどもエコすまい支援事業:100万円
  • 地域型住宅グリーン化事業:140万円
  • 自治体の太陽光補助:20万円(例:東京都など)
  • 合計補助金額:260万円

【差し引き効果】

  • 追加出費:170万円
  • 補助金:260万円
  • 差し引きで90万円のプラス効果

【光熱費の節約効果】

ZEH住宅では、太陽光発電による売電・自家消費が可能なため、年間の光熱費を実質ゼロに近づけることができます。
一般家庭で月平均1.5万円の光熱費が発生していると仮定すると、年間18万円。これがゼロまたは半減すれば年間9万~18万円の節約になります。

仮に15年間住むとすれば、135万円~270万円の光熱費削減が見込める計算です。
つまり、補助金だけでなく、ランニングコストの節約も含めると、300万円以上の経済的効果を得ることができる可能性があります。

【2025年 住宅事情 補助金 助成金】の申請にかかる手間と費用とは?

補助金や助成金を申請するには、いくつかの手続きや条件が必要です。また、申請には専門的な知識が求められるため、施工業者との連携が不可欠です。

【申請の流れ(例:こどもエコすまい支援事業)】

  1. 登録施工業者と契約(補助対象事業者である必要あり)
  2. 設計・仕様の確認
  3. 着工前に申請(先着順)
  4. 完成後に実績報告と申請書類の提出
  5. 審査を経て、補助金が振込まれる

この一連の流れの中で、以下のような申請関連費用が発生することがあります。

  • 長期優良住宅申請手数料:3万円〜10万円
  • 登録建築士への設計費追加:5万円〜15万円
  • 書類作成代行費(施工業者へ):3万円〜10万円

合計で10万円〜30万円程度の間接的なコストが発生することも想定しておく必要があります。
それでも、補助金の規模が200万円を超えるケースでは、申請コストを差し引いても費用対効果は高いといえるでしょう。

【2025年 住宅事情 補助金 助成金】の落とし穴と注意点

補助金は確かに魅力的ですが、いくつかの注意点もあります。
制度をうまく活用するために、以下の点をあらかじめ確認しておくことが大切です。

【よくある落とし穴】

  • 申請が間に合わない:予算が上限に達すると受付が早期終了する
  • 対象外の施工業者を選んでしまう:補助対象外で申請できない
  • 仕様が基準を満たしていない:あとで非該当と判定される
  • 自治体の補助は後出しで使えない場合もある

また、こどもエコすまい支援事業のような制度は世帯条件が限定的で、「子育て世帯」「若者夫婦世帯(夫婦いずれかが39歳以下)」などの条件に合致しないと利用できません。

こうした点も含めて、補助金を前提とした家づくりを計画する際は、早めに施工業者や設計士と相談しながら進めることが重要です。

まとめ

2025年の住宅補助制度を活用すれば、初期投資に170万円程度かかっても、260万円以上の補助金を受けられ、差し引きで約90万円の得になることをお伝えしました。
さらに、ZEH住宅にした場合の光熱費節約効果を加味すると、長期的に300万円以上の費用対効果が見込める可能性もあります。今後の家づくりでは、補助金を活用しつつ、ライフサイクルコストまで考慮した計画を立てていくことが大切です。


 

DIYとプロ提案の活用法とは?低コストで空室を埋めるハイブリッド改善術を解説!




「できるだけコストは抑えたいけれど、見た目も良くしたい」
「自分でやれるところはDIYで、でも全部を素人判断で進めるのは不安」
こうした悩みを抱えている賃貸オーナーの方は多いのではないでしょうか。

たとえば、クロスの張替えや棚の設置など、「自分でもできそう」と感じる作業があっても、「デザインの方向性が合っているか分からない」「プロに頼むほどでもないけど不安」という理由で手が止まってしまうことがあります。

そんな時に有効なのが、「DIY+プロ提案」というハイブリッドな方法です。
つまり、“プランニングはプロに、実作業は自分で”という分担スタイルで、費用を抑えつつ、効果的なリフォームが可能になります。

本記事では、「DIY+プロ提案」の具体的な活用方法と、空室対策に成功した事例、注意点を含めた実践術を詳しく解説します。


なぜ今「DIY+プロ提案」が注目されているのか?

近年、空室対策や差別化の手段として「見た目重視」のリフォームが重要視されるようになっています。
一方で、全面リノベーションのような高額な工事は、利回りを圧迫する原因にもなります。

そこで注目されているのが、プロの目線を借りて、実作業をDIYで実行するという合理的な選択肢です。

この方法には、次のようなメリットがあります:

  • 設計・デザインはプロに任せることで、ターゲットに合った魅せ方ができる
  • 工事をDIYで行えば、人件費を大幅に削減できる
  • 自分のペースで、少しずつ改善が可能
  • 成功すれば、他の部屋や物件でも同じ手法が再利用できる

つまり、「センスと技術のいいとこ取り」ができる柔軟な方法として、コストを抑えたいオーナーに非常に適したスタイルなのです。


どんな場面でハイブリッド活用が効果的か?

「DIY+プロ提案」の方法は、すべての物件や状況に向いているわけではありません。
効果が出やすいのは、次のようなパターンです。

✔ 小規模な空室改善に取り組むとき

→ クロス1面だけの貼替えや棚設置など、1〜2日でできる作業

✔ 工具や作業にある程度慣れている人

→ ペンキ塗り・床の貼替え・家具の組立などが苦にならない方

✔ 1棟・複数室を管理しているオーナー

→ 1部屋をモデルルーム的に改善して効果を見てから、他の部屋へ応用できる

✔ 施工業者に頼むほどでもないが、方向性はプロに見てほしいというケース

たとえば、「築25年の1Kマンションで、内装が古くさいけど設備交換するほどではない」といった場面において、プロのアドバイス+自分の手作業で印象を刷新することが可能になります。


DIYで対応しやすい作業と、プロに任せたい部分の見極め方

🔧 DIYで効果が出やすい作業

  • アクセントクロスの貼替え(壁1面など)
  • 床材の貼り替え(クッションフロア・タイルカーペットなど)
  • ペンキ塗装(ドア、棚、窓枠など)
  • カーテンレール・照明器具の取り付け
  • 棚・フック・鏡などの設置
  • デコレーション(観葉植物、額縁、ラグなど)

これらは、特別な資格がなくても自分で対応できる上に、**部屋の印象を大きく左右する「見える部分」**です。

🛠 プロに任せたい部分

  • 水道・電気・ガスなどのライフライン工事
  • 天井や壁の一部解体・間取り変更
  • 建具の調整・交換
  • エアコン・給湯器など設備の入替え
  • 下地や構造の補修作業

これらは資格や専門技術が必要であり、無理にDIYで対応するとトラブルや事故につながる恐れがあります。
ここは無理せず、専門業者に委ねることが大切です。


実例:DIYとプロ提案の組み合わせで空室を解消した事例

🏡 築30年ワンルームマンションの改善事例(オーナーMさん)

背景:

  • 家賃:相場よりやや高め
  • 内装:古くないが、白一色で印象が弱い
  • 反響:ネット閲覧数はあるが内見は少なかった

実施した内容:

  1. デザイン提案を「大工のおっちゃん工房」に依頼
    → ターゲット(20代女性)に合わせた「ナチュラル×カフェ風」提案書を作成してもらう

  2. 提案に基づき、DIYで以下を施工

  • ベッド側の壁を木目調アクセントクロスに変更
  • 照明をライティングレールに交換
  • 古い棚の扉をペンキで塗装し、取っ手を変更
  • 小物・観葉植物・ラグを設置しモデルルーム風に
  1. 仕上がり写真を不動産会社に提供し、ポータルサイトに掲載

結果:

  • 総費用:約4万円(材料+備品)
  • 家賃据え置きで再募集 → 掲載から5日で申込
  • 不動産会社からも「写真が良くて問い合わせが増えた」と評価

**プロに方向性を決めてもらい、実作業は自分で。**このスタイルが初めてのDIY挑戦にも安心感を与えました。


「大工のおっちゃん工房」なら提案だけの依頼が可能!

DIYの設計や方向性に悩んだときは、「大工のおっちゃん工房」のように、現地調査+提案までを専門に行うサービスを活用すると効果的です。

  • 物件ごとの課題や魅力を分析して、見せ方・活かし方を提案
  • ネット完結で依頼でき、施工はオーナー自身や職人さんに任せられる
  • 提案書を見ながらDIY作業が進められるので、迷わず実行できる

DIYで失敗しやすい「方向性のズレ」「ターゲットのミスマッチ」を避けるために、プロ視点のアドバイスを得てから動き出すという順番が、成功率を高めます。


DIYとプロ提案を併用する際の注意点

いくらDIYが自由とはいえ、以下の点に注意することで、よりスムーズに仕上がります。

  • 施工前に工程をしっかり組む(順番を間違えるとやり直しの原因に)
  • 高所・重量物などは無理をしない
  • 不動産会社と事前に連携し、写真撮影・内見に間に合うスケジュールを立てる
  • 入居後の“使いやすさ”も考慮する(収納や導線に配慮)

まとめ

「プロにすべて任せるのはコストがかかる、でも自分で全部考えるのは不安」
そんな悩みを抱える賃貸オーナーにとって、「DIY+プロ提案」のハイブリッド活用法は、非常に現実的で効果的な選択肢です。

ポイントは、“プロに任せるべきところ”と“自分でできるところ”の見極め
方向性をプロに確認してから動くことで、DIYの失敗リスクを減らし、効果を最大化することができます。

空室や反響不足に悩んでいる方は、まずは一部屋から、プロの力を借りて自分で改善に挑戦するところから始めてみてはいかがでしょうか?


 

施工会社との連携方法とは?賃貸リフォームを成功に導く付き合い方を解説!




賃貸物件の空室対策や家賃改善に取り組む中で、「どの施工会社に頼むべきか」「思い通りに仕上がらなかったらどうしよう」といった不安を感じた経験はありませんか?

たとえば、「せっかくデザイン提案を受けたのに、施工会社がうまく対応してくれなかった」「現場でトラブルがあって予定通り進まなかった」というケースは、実際によく聞かれます。

こうした問題の多くは、「施工会社との連携不足」や「事前のすり合わせ不足」によって起こっています。
しかし、あらかじめ正しい関わり方と準備のコツを知っておけば、トラブルを回避しながら、リフォーム効果を最大限に高めることができるのです。

本記事では、不動産投資や賃貸運用における「施工会社との上手な連携方法」について、初心者にも分かりやすく、実例や注意点を交えて解説します。


なぜ施工会社との連携が賃貸経営のカギになるのか?

空室対策や物件の価値向上のために、原状回復だけでなくデザインリフォームを取り入れるオーナーが増えています。

しかし、どれだけ良い提案やアイデアがあっても、それを「きちんと形にしてくれる施工会社」との連携が取れていなければ、成果は得られません。

施工会社とのすれ違いでよくある例としては、次のようなものがあります。

  • イメージしていた仕上がりと違う
  • 工期が大幅にずれ、入居募集のタイミングを逃す
  • 材料選びのミスで追加費用が発生した

逆にいえば、施工会社との関係がスムーズであれば、工期も予算も抑えられ、イメージ通りの仕上がりが実現します。

ここからは、信頼できる施工会社を選ぶ方法と、連携を成功させるためのポイントを具体的にみていきます。


施工会社選びで失敗しないための3つのチェックポイント

施工会社は「価格」だけで決めてしまいがちですが、費用が安いだけではトラブルの原因になります。選定時には、以下のポイントに注目しましょう。

① 賃貸物件の施工実績があるか?

賃貸物件は、入居者ターゲット・退去頻度・コスト意識などが自宅リフォームとは異なります。
施工会社の中には「住宅リフォーム専門」で、賃貸運用の事情に疎い場合もあるため、過去の賃貸物件対応実績を確認することが重要です。

② 提案内容が的確かどうか?

見積もりを依頼したときに、「ただ作業の内容と金額だけ書いてある」会社もあります。
良い施工会社は、工事の目的や効果をふまえた提案(コストの理由、代替案、写真など)をセットで提示してくれます。

③ 担当者の対応が信頼できるか?

見積書や提案内容よりも、実は大切なのが担当者の人柄です。
言葉遣いや説明の分かりやすさ、返信の早さなどから、“誠実に付き合える相手かどうか”を見極めましょう。


工事前にやっておくべき“情報共有のコツ”

施工会社との連携をスムーズにするには、**着工前の「情報共有」**が非常に大切です。

とくに、以下の4点は最初の打ち合わせ段階で必ず共有しておくことをおすすめします。

① 目的とゴール(何を解決したいのか)

例:「空室が長いので印象を良くしたい」「ファミリー向けに設備を整えたい」

② デザイン提案がある場合、その資料一式

提案をそのまま施工に反映できるよう、図面・イメージ写真・素材指定などを事前に渡しておきましょう。

③ 予算と納期の上限

追加工事やトラブル時の判断に役立ちます。「〇円以内で済ませたい」「〇月までに入居開始したい」と明確に伝えることで、ズレが起きにくくなります。

④ 入居募集のスケジュール

不動産会社との連携もあるため、「写真撮影までに完成しておきたい」「完成後すぐ内見が入る」といった日程も共有しましょう。


デザイン提案と施工を分けるスタイルもおすすめ

「デザインは得意じゃないけど、施工は昔からの付き合いの大工さんに頼みたい」
という方には、提案と施工を分離するスタイルが特におすすめです。

たとえば、デザイン提案だけを行う「大工のおっちゃん工房」のようなサービスを利用すれば、プロの目線で改善ポイントを教えてもらいながら、施工は自分の信頼する職人さんに任せることができます。

このスタイルは、以下のメリットがあります。

  • 提案と施工を分けることで、コスト調整がしやすい
  • 職人さんの“いつものやり方”にプロの視点を加えることができる
  • 工務店への説明がスムーズになり、トラブルを防げる

実例:スムーズな連携で満室達成に成功した事例

東京都内、築31年の2DKアパート。退去が重なり空室が2部屋続く中、外観も内装も古さが目立ち始めていました。

オーナーは、デザイン提案サービスを活用して、「収納の見せ方」「照明の工夫」「クロスの色のバランス」などの提案を受けたうえで、施工はいつもの工務店に依頼。

提案書を事前に共有し、工事前に3者でLINEグループを作成してやり取りを行うことで、イメージ通りの仕上がりが実現。

結果:

  • 家賃+3000円で募集
  • 写真の印象も良く、掲載1週間で両室成約
  • 職人さんからも「分かりやすくてやりやすかった」と好評

連携がうまくいかないときの対処法

どれだけ準備をしても、連携がスムーズにいかないケースもあります。
そんなときは、次のように対応しましょう。

  • 工程表を作って共有し、「いつ・何をやるか」を明確にする
  • 話し合いの内容は、メールやLINEなど記録が残る形で確認
  • 提案者(デザイナー)と施工者をつなぐ「翻訳役」を1人決める(オーナー自身でもOK)

問題は早期に発見・共有することで、大きなトラブルになる前に解決できます。


まとめ

施工会社との連携は、賃貸リフォームや空室対策の成功を大きく左右する要素です。
価格や実績だけでなく、「目的の共有」「提案資料の活用」「丁寧なやり取り」など、コミュニケーションを丁寧に行うことで、想像以上にスムーズな改善が可能になります。

特に、デザイン提案を活かした「提案+施工」の連携スタイルは、効果的かつ現実的な方法として注目されています。

「良い施工会社との良い関係」が、長期にわたる賃貸経営の安定と成長につながることを、ぜひ意識してみてください。


 

賃貸物件の空室に悩んだら?プロのデザイン提案を活用する方法を解説!




「内装を変えれば空室は埋まると聞くけれど、どうやって変えればいいのか分からない」
「リフォームに興味はあるけど、費用も高そうだし、何から手をつければいいか迷ってしまう」

そんな不安を抱えたまま、空室が長引いてしまっているオーナーは少なくありません。

たとえば、築30年を超えた物件では「見た目が古い」「競合物件に見劣りする」といった印象から、内見につながらず、募集期間だけが延びていくというケースも珍しくありません。

こうした課題に対して、近年注目されているのが、「プロのデザイン提案を活用する」という方法です。
リフォームや施工をまるごと任せるのではなく、**「提案だけプロに任せて、施工は信頼する職人さんに任せる」**というスタイルが広がっています。

本記事では、プロの目線でのデザイン提案がなぜ効果的なのか、どのように活用すれば空室や収益性の問題を解決できるのか、具体的に解説していきます。


自分で考えるリフォームには限界がある?

最近では、「低予算リフォーム」「DIYでできる改善」などの情報も多く、物件オーナー自身が内装改善を考える機会も増えています。

しかし実際には、「自分で考えても、どこをどう直せば効果的か分からない」「費用をかけたのに反応が悪い」といった声も少なくありません。

これは、次のような理由によるものです。

  • プロではないため、ターゲット層のニーズをつかみにくい
  • 設備や内装の“直しどころ”の優先順位が判断できない
  • トレンドや写真映えなど“選ばれる要素”が抜けてしまう

とくに空室が続いている物件の場合、**「何を変えれば印象が良くなるのか」**がぼやけたままだと、的確な対策が取れず、結果的に家賃を下げるしかなくなってしまうこともあります。


プロのデザイン提案で得られる3つのメリット

ここで有効なのが、「プロのデザイン提案を受ける」という方法です。
単に「おしゃれな内装にする」ことが目的ではなく、現地調査をもとに、費用をかけるべき場所と工夫できるポイントを見極めるプロの視点が役立ちます。

① 現場を見たうえで“効果の出る改善ポイント”を提案してくれる

プロは、間取りや光の入り方、生活動線、設備の状態などを見て、どこを改善すれば印象や住み心地が良くなるかを判断します。

たとえば:

  • クロスや床材の色味バランス
  • キッチン扉の見せ方
  • 間取り変更せずにできる開放感の演出 など

② ターゲットに合わせたデザインを提案できる

入居者の年齢層やライフスタイルによって、好まれるデザインは異なります。
たとえば若年層なら「カフェ風」「コンクリ風」などが人気ですが、ファミリー層には「ナチュラルで清潔感のあるデザイン」が好まれます。

プロの提案では、「誰に貸したいか」に合わせて内装を調整してくれるため、的を外さない投資が可能です。

③ 写真映え・募集効果が高まる

内見数の前に、まず「内覧予約につながる魅力的な写真」が必要です。
プロは、見せ方も考慮してくれるため、ネット掲載時の印象が良くなり、反響アップが期待できます


デザイン提案だけのサービスもある?施工は自分で選べる!

「プロに頼む=施工も全部お願いしなきゃいけない」と思っていませんか?
実は今、「提案だけ受けて、施工は自分の知っている職人さんに頼む」ことができるサービスも増えています。

その代表的な一つが、**『大工のおっちゃん工房』**です。


🛠 大工のおっちゃん工房とは?

  • 物件の現場調査+デザイン提案までを専門に行う会社
  • ネット完結で簡単に依頼できる
  • 施工までは行わないため、普段付き合っている職人さんの仕事を邪魔しない
  • 費用も提案ベースなので、予算の相談がしやすい

こんなオーナーにぴったり!

  • リフォームに興味はあるけど、何を変えればいいか分からない
  • いきなり施工会社に頼むのは不安
  • いつもの職人さんと組んで進めたい
  • 賃貸物件をもっと魅力的にして差別化したい

こんな流れで活用できます:

  1. 物件の写真・図面を共有して相談(ネットで完結)
  2. 必要に応じて現地調査 → 状況を把握
  3. ターゲットや競合エリアをふまえた提案書を受け取る
  4. 提案内容をもとに、いつもの施工業者さんへ発注
  5. 施工完了後は、写真映えする仕上がりで募集開始!

実際に「提案活用→家賃アップ」に成功したオーナーの声

🏡 事例:築31年 1LDK → 提案活用で+3000円の家賃アップ

空室期間:6か月以上
改善内容(提案に基づき実施):

  • 壁一面にグレージュのアクセントクロス
  • キッチン扉に木目シート貼付+取っ手変更
  • 照明をLEDペンダントライトに交換

工事費用:約18万円(いつもの工務店へ依頼)
家賃:以前より3000円アップで募集 → 3週間で申込

「どこにお金をかければいいか分かるだけで、こんなに変わるとは思いませんでした。普段の職人さんと連携して進められたのも助かりました」


プロに相談するときのポイントと注意点

✅ 希望ターゲットを明確に伝える

「単身女性向け」「カップル層」「学生」など、想定している入居者層を伝えると、より的確な提案が受けられます。

✅ 施工は“自由に選べる”かを確認する

提案だけに特化しているサービスであれば、強引な施工契約などの心配は不要です。

✅ 複数のプランを比較できると安心

予算に合わせて、プランA(最低限)〜C(しっかり改善)まで段階提案があると、判断しやすくなります。


まとめ

原状回復やリフォームは、空室対策として必要不可欠ですが、「どこをどう直せばいいのか」は誰もが悩むところです。

そんなときこそ、プロのデザイン提案をうまく活用することで、“ムダのない改善”と“確かな効果”を両立することができます。

提案だけの利用が可能な**「大工のおっちゃん工房」**のようなサービスなら、今の人間関係や施工環境を大切にしながら、物件の魅力を最大限に引き出すサポートが受けられます。

次の原状回復やリフォームのタイミングで、まずはプロの視点を取り入れてみることから始めてみてはいかがでしょうか?


 

原状回復+デザインで家賃アップ!実際に成功した賃貸リノベとは?




「原状回復はするけれど、家賃は据え置きか値下げするばかり……」
そんなお悩みを抱えていませんか?退去後の原状回復は、賃貸経営にとって避けられないコストですが、「お金がかかるだけの作業」で終わってしまうことも多くあります。

しかし近年では、原状回復のタイミングで「ちょっとしたデザイン」を加えることで、家賃アップや早期成約に成功している賃貸オーナーが増えています

本記事では、「原状回復+αの工夫」によって家賃アップや入居スピードの改善に成功した実例を中心に、費用対効果の高い賃貸リノベーションの考え方と実践方法を丁寧に解説します。

「リフォーム=大規模・高額」というイメージを変え、**誰でも実践できる“攻めの原状回復”**のヒントをお届けします。


なぜ原状回復だけでは「物足りない」のか?

原状回復とは、基本的に「以前の状態に戻すこと」です。しかし、築年数が進んだ物件においては、「元の状態」に戻しても、現代の入居者ニーズには合わない場合があります。

たとえば、20年前に主流だった白一色のクロスやベージュの床材は、現在の若年層には「古くさい」「ありきたり」と受け取られてしまうことがあります。

つまり、今の時代に合った“選ばれる部屋”をつくるためには、原状回復+デザイン要素の追加が重要なのです。

特に、退去後は「何もない状態」から始まるため、少しの手間で部屋全体の印象を大きく変えることが可能です。
ここからは、実際に原状回復と同時にデザインリノベーションを行い、家賃アップに成功した事例を紹介していきます。


実例①:アクセントクロス+照明変更で+3000円(築28年 1K)

東京都内にある築28年の1Kマンション。学生向け物件として運用していたが、退去後の原状回復をきっかけに、「他と差別化したい」という目的で一工夫を加えることに。

変更した点は以下の通り:

  • ベッド側の壁にグレー系のアクセントクロスを採用
  • シーリングライトをライティングレール+電球型LEDに変更
  • 窓まわりのカーテンレールを黒で統一

これらの変更にかかった費用は約9万円。

結果:

  • 家賃:従来より月額3000円アップ
  • 募集開始から1週間で申込
  • 写真映えも良く、ポータルサイトの反応が倍増

【ポイント】
「原状回復+α」の考え方で、“印象の上書き”に成功。費用対効果が高く、収益性の向上につながりました。


実例②:床材と建具の色を統一し+5000円(築30年 2DK)

大阪市内にある築30年のファミリー向け2DK。長年使用されたフローリングと、黄ばみがかった建具の古さが目立っていました。

退去後の原状回復でフローリング張り替えを予定していたため、あわせて以下のようにアレンジ:

  • 床をナチュラルオーク色のフロアタイルに変更
  • 建具(ドア・収納)に同系色のシートを貼り、色味を統一
  • 玄関の土間部分に石目調のクッションフロアを採用

総費用:約25万円(原状回復含む)

結果:

  • 家賃:月額5000円アップ
  • 募集から2週間で申込
  • 家族連れから「清潔で落ち着く印象」と高評価

【ポイント】
設備そのものを交換せずに“統一感”を出すことで、部屋の印象を刷新。家賃アップだけでなく長期入居にもつながる期待値が高まる内容となりました。


実例③:キッチン+壁面クロスの工夫で即入居(築33年 1LDK)

横浜市内の築33年、駅徒歩10分の1LDK。キッチンの経年劣化が進んでいたものの、取り替えるにはコストがかかるため、原状回復を活かしつつ「見た目改善」にフォーカス。

具体的な変更点:

  • キッチン扉に木目調のカッティングシートを貼付
  • 壁面に白タイル風のクロスを採用
  • コンロ周りのステンレス面を丁寧に研磨・再コーティング

総費用:約12万円

結果:

  • 家賃:変わらず(+0円)だが競合より高めの設定で申込獲得
  • 掲載1週間以内に反響8件 → 即入居

【ポイント】
原状回復だけでは古さが残る箇所に「見せ方」の工夫を施したことで、他物件との差別化が可能に。写真映えが成約の後押しとなりました。


実例④:玄関と水回りの印象アップで家賃+2000円(築31年 2DK)

名古屋市内の築31年の2DK物件。原状回復のタイミングで、「古く見えがちな水まわりと玄関の印象を良くしたい」との思いから以下の工夫を実施。

  • 洗面台の鏡周りに木枠を追加し、ホテルライクに演出
  • 玄関にフロアマット+照明を追加し、エントランスの印象を刷新
  • トイレには植物柄のクロスを一面に使用し、清潔感を演出

総費用:約10万円

結果:

  • 家賃:+2000円
  • 募集期間:約2週間で成約
  • 内見時の第一印象が大幅に改善

【ポイント】
人が部屋に入ったときに最初に感じる「入口と水まわり」に集中して投資。実際に内見時の離脱率が減り、スムーズな成約につながりました。


なぜ「原状回復+デザイン」が効果的なのか?

実例からも分かる通り、原状回復のタイミングは**“部屋の印象を大きく変えるチャンス”**です。

理由は3つあります:

  1. 作業の手間が一度で済む
     → 原状回復と同時に手を加えることで、施工コストも時間も圧縮できます。

  2. 退去後なのでアレンジが自由にできる
     → 入居中にはできない変更や工夫がしやすく、デザインを大胆に取り入れられます。

  3. 写真が映える内装に仕上げやすい
     → 新規募集時に、内見前の反響を増やす“武器”として機能します。

特に、若年層向け・単身者向けの物件では「写真映え」と「ちょっとした個性」が重視される傾向にあります。


デザインを加える際の注意点とは?

ただし、原状回復にデザイン性を加える際には、いくつかの注意点もあります。

  • 万人受けしすぎないように工夫する
     → 個性的すぎる色使いや装飾は、入居者の好みを大きく左右するリスクがあります。

  • 設備の機能性は確保する
     → デザイン重視で使いづらい空間にならないよう、実用性も大切です。

  • 掃除・手入れのしやすさを意識する
     → 凹凸が多い壁材や床材は汚れがたまりやすく、敬遠される可能性があります。

  • 修繕や原状復帰のしやすさを意識
     → 将来の退去時にも手直ししやすい工法・素材を選ぶと安心です。


まとめ

「原状回復はコストでしかない」と考えていた方にとって、
**原状回復+デザイン=“収益改善のチャンス”**になることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。

今回は、実際に家賃アップや早期成約につながった事例をもとに、効果的な賃貸リノベーションの方法をお伝えしました。

小さな工夫で、築年数や古さのハンデを乗り越えることは十分に可能です。次の原状回復のタイミングには、ぜひ“デザインのひと手間”を加えてみてください。


 

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