リフォームしたばかりの家なのに、なぜかすぐ不具合が出てくる…。
壁にヒビ、床のきしみ、建具のズレ──これって施工ミス?
いいえ、実はもっと根本的な“原因”があるんです。
この記事では、
「なぜリフォームしても家が長持ちしないケースがあるのか」
について、専門的な視点から詳しく解説します。
■ 家の寿命は「建て方」で8割決まる
新築時、家は“見えない部分”からすでに寿命が決まり始めています。
たとえば──
-
土台がしっかり水平に設置されていない
-
柱の垂直精度が甘い
-
コンクリートの硬化や養生が不十分
こうした施工精度の差は、すぐには表に出ません。
しかし10年、20年と経つうちに、徐々に建物のゆがみや不具合となって現れます。
そしてこの“構造的なズレ”は、内装リフォームや設備更新だけでは修復できません。
■ 建物の立地条件=環境の影響も大きい
さらに見落とされがちなのが、**家の建っている場所(環境)**です。
次のような条件は、住宅の寿命に直接関わります。
▼ 日当たりが悪い
→ 湿気がこもり、木材や外壁が腐食しやすくなります。
▼ 川や池などの水辺が近い
→ 地盤が緩く、床下湿気やシロアリのリスクが高まります。
▼ 幹線道路や鉄道沿い
→ 振動が日常的に伝わり、構造体が微細なストレスを受け続けます。
▼ 高圧鉄塔や送電線が近い
→ 健康影響よりも“住みづらさ”や資産価値に影響するケースも。
つまり、同じ築30年でも「劣化スピード」が全く違うのです。
■ 築年数では判断できない“本当の状態”
よく「築年数が浅いから大丈夫」と言われますが、それはあくまで目安。
たとえば、築15年の家でも施工が粗い・湿気の多い土地にある──となれば、劣化は深刻です。
逆に、築35年でもしっかり建てられた家は、今も安定して住めることがあります。
家の状態は、「築何年」よりも「どんな建て方」「どんな環境」で“生きてきたか”で決まるのです。
■ リフォームの前に“総合診断”を
本当に意味のあるリフォームをするには、
まず家の履歴と現在の状態を総合的に診る必要があります。
-
新築時の施工状況
-
現在の地盤・湿気・振動の影響
-
構造のゆがみや荷重バランス
-
過去の修繕・補修履歴
こういった“家の履歴”を踏まえたうえで、「何を」「どこまで」直すのかを決めることが重要です。
■ まとめ|見た目では判断できない“家の真実”
リフォームは決して無駄ではありません。
ただし、「なんとなく心配だからリフォーム」という発想では、根本的な改善にならないことがあります。
家の寿命は、建て方と環境で決まる。
本当に大切なのは、“その家がどう生まれ、どう生きてきたか”を知ること。
まずは、住まいの“健康状態”を知ることから始めませんか?