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今更聞けない?長期優良住宅はリフォームにも使えるって、知ってましたか?
家づくりを考えている人なら「長期優良住宅」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
長く安心して暮らせる家、という響きは知っていても、実際にどういう制度なのか、どんなメリットがあるのか、そして「リフォームでも使える」という事実を知っている人は意外と少ないのです。
この記事では、長期優良住宅の基本から、リフォームでどう活用できるのかまでを、少しやわらかい例え話を交えながら解説していきます。
まるで「車の車検」のような制度?
たとえば車を持っている方なら「車検」を受けたことがあるはずです。
車は定期的に点検して整備することで、安心して長く乗り続けられるようになっていますよね。
家も同じで、つくったときにしっかりした性能を備えていれば安心ですし、途中で修理や改良をすればさらに長持ちします。
長期優良住宅は、まさに「住宅版の車検証明」のような仕組みです。
ただし大きく違うのは、車検が義務なのに対し、長期優良住宅は希望する人だけが認定を受ける“選択制”だということ。
だからこそ、知っている人は得をし、知らない人はスルーしてしまう――そんな制度なのです。
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、国が定めた基準を満たすことで「この家は長く良好な状態で住み続けられる」とお墨付きをもらえる制度です。
簡単に言えば、「長持ちする高性能住宅」として国が認めてくれる仕組みです。
認定を受けるための主な条件は以下のとおりです。
-
耐震性:地震に強く、安全であること
耐震等級2以上が基本です。大地震でも倒壊のリスクを下げ、家族の安全を守れるレベルが求められます。 -
省エネルギー性:断熱性能や省エネ設備を備えていること
断熱材の厚みや窓性能が基準以上であることが必要です。冷暖房費が下がり、夏も冬も快適に過ごせます。 -
劣化対策:構造材や基礎などが長持ちする工夫をしていること
床下換気やシロアリ対策など、見えない部分の耐久性確保がポイントです。これにより数十年後も構造が健全に保たれます。 -
維持管理・更新の容易性:点検や修繕がしやすい設計であること
配管の位置や点検口の設置など、将来リフォームしやすい設計が条件です。無駄な工事費を抑えやすくなります。 -
居住環境への配慮:周辺環境や景観にも調和すること
良好な街並みを維持できるように、敷地の使い方や外観にも一定の配慮が求められます。
こうした条件をクリアすると、住宅ローン減税の拡充、固定資産税の軽減、地震保険料の割引など、家計面でもさまざまなメリットが受けられます。
つまり「長期にわたって安心・快適に暮らせ、資産価値も維持しやすい家」というのが長期優良住宅の大きな特徴です。
「リフォームでも認定できる」って知ってましたか?
ここからが本題です。
多くの人が「長期優良住宅=新築時にだけ関係するもの」と思っています。
ところが実際には、既存住宅を対象とした 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」 という制度が存在します。
つまり中古住宅や今住んでいる家をリフォームして、耐震性や省エネ性を高めれば「長期優良住宅」として認められる可能性があるのです。
たとえ話:中古車をフル整備して再出発
わかりやすく車に例えてみましょう。
古い車を買ったときに、ブレーキを新品に交換し、タイヤもグレードアップ、エンジンも徹底整備すれば、「まだまだ走れる」一台に生まれ変わりますよね。
家も同じです。
中古住宅を耐震補強し、断熱材を入れ替え、給排水管を更新すれば「まだまだ住める」住宅に変わる。
そしてその「お墨付き」として長期優良住宅の認定がある――そう考えると、リフォーム版の長期優良住宅はぐっとイメージしやすいはずです。
どんな工事が対象になる?
長期優良住宅化リフォームで対象になるのは「住宅性能を底上げする工事」です。
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耐震改修
古い住宅は地震に弱い場合があります。壁や柱の補強、基礎の補強を行うことで、震度6強クラスでも倒壊しにくいレベルを目指します。大切な家族の命を守るための基盤づくりです。 -
省エネ改修
「冬は寒い、夏は暑い」と感じる家は光熱費がかさみます。断熱材を入れ替えたり、窓を二重ガラスにすると、冷暖房効率が向上し、光熱費の節約にもつながります。 -
劣化対策
給排水管や土台などは見えない部分ですが、ここが傷んでいると住まい全体に大きな影響が出ます。シロアリ防除や床下の通気工法などを導入し、数十年先まで安心できる構造にします。 -
維持管理・更新の容易性
将来的にリフォームや修繕が必要になったとき、壁や床を壊さずに配管を交換できるように点検口を設けるなどの工夫も対象です。未来のメンテナンスコストを減らせます。
こうした工事によって、家そのものの寿命を大きく延ばすことができます。
補助金はいくら?
この制度を利用すると、**工事費の1/3(上限100万~250万円程度)**が補助されます。
また、事前に行う住宅診断(インスペクション)の費用も補助対象になる場合があります。
つまり「リフォームの出費を減らしながら、性能も大幅に改善できる」仕組みなのです。
最新情報は公式サイトでチェック
制度は年度ごとに公募・予算枠が変わります。
「今年度はいつ募集開始?」「補助金はいくら?」などは毎年更新されるため、必ず確認が必要です。
👉 最新情報は国土交通省の公式サイト「令和7年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業」(r07.choki-reform.mlit.go.jp)をご覧ください。
知らないと損するケース
築40年の木造住宅をリフォームしたAさん。耐震補強も断熱改修も行いましたが、制度を知らず申請せずに終了。
本来なら250万円の補助を受けられたのに「後から知って悔しい」と言います。
一方で制度を知っていたBさんは、同じように中古住宅を購入してリフォーム。事前に申請して200万円以上の補助を受け、資金計画に余裕を持たせることができました。
両者の違いは「知っていたかどうか」ただそれだけ。
メリットと注意点
メリット
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補助金でリフォーム費用を軽減できる
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耐震・断熱性能の向上で暮らしが快適に
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資産価値を維持・向上しやすい(売却時にも有利)
注意点
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工事前に申請が必要(工事後は不可)
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性能向上工事に限定(クロス張替えなどは対象外)
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制度対応できる業者を選ぶ必要あり
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募集期間を逃すと次年度まで待つことに
まとめ:今住んでいる家も「未来の資産」にできる
「長期優良住宅=新築」というイメージが強いですが、実はリフォームでも使えるのです。
耐震性・省エネ性を高めるリフォームを行えば、補助金を受けつつ資産価値も維持できます。
まさに「古い車をフル整備して新しい人生を走り出す」ように、住まいもよみがえるのです。
ご相談ください
「うちの家も対象になるのかな?」と気になる方は、専門家に相談するのが一番早く確実です。
もしリフォームを検討中でしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
経験豊富な建築士が、あなたの住まいに合った最適なプランを一緒に考えさせていただきます。

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