こんにちは。
築古住宅の購入をきっかけに、「DIYで少しずつ手を入れながら、自分たちらしい住まいを作っていきたい」と考えている方も多いと思います。
でも実際にリフォームを始めると、ふとした疑問が出てきませんか?
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この工事って、申請が必要だったの?
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この壁、抜いても大丈夫?
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そもそも、どこからが“NG”なんだろう?
今回は、そんな不安を解消すべく、中古住宅のリフォームで「確認申請が必要になるライン」と、賢く安価に住まいを整える方法について、できるだけ分かりやすくお話しします。
確認申請ってなに?リフォームにも関係あるの?
まず、「確認申請」という言葉、聞いたことはあるけれど詳しくはよく分からない、という方も多いかもしれません。
確認申請とは、
「その工事が法律(建築基準法)にちゃんと合ってますよ」と役所に確認してもらう手続きのことです。
新築はもちろん、リフォームやDIYでも、内容によっては申請が必要になるケースがあるんです。
もし必要なのに出さずに工事してしまうと、将来売却できなかったり、住宅ローンが通らなかったり、最悪の場合「違法建築」扱いになってしまうことも…。
申請が必要になるリフォームとは?【知らないと損】
確認申請が必要になるのは、以下のような工事です。
● 増築・延床面積が増える工事
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例:ベランダを部屋にする、小屋裏や屋根裏を部屋にする、物置を拡張して居室に
● 部屋の用途変更
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納戸→子ども部屋
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ガレージ→事務所やお店
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物置→書斎など
用途が変わると建築基準法上の扱いも変わります。
● 構造部分に関わる工事
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壁を抜く(耐力壁の場合)
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柱や梁を撤去
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吹き抜けを追加するなど
● 高さや面積が関係する工事
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ロフトの追加(階として見なされる可能性あり)
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外壁や屋根の形を変える工事
これらは全て、建物の構造や使い方が大きく変わるため、“事前の確認”が必須になります。
申請なしでできるリフォームはどんなもの?
逆に「これは安心してDIYして大丈夫」という工事もたくさんあります。
✅ たとえば…
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クロス(壁紙)の貼り替え
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床の張替え(フローリング・クッションフロアなど)
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水回り設備の交換(同じ位置であればOK)
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外壁の塗装や簡単な補修
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間仕切り家具や棚の設置(固定しない場合)
これらは**「構造や使い方を変えない」**工事なので、確認申請はいりません。
DIY好きな方にとっては、チャレンジしやすい範囲でもあります。
問題は“その中間”にある…グレーゾーンとは?
実は一番悩ましいのが、「いけそうに見えるけど実はアウト」な工事です。
たとえば…
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ロフトの新設(上階扱いになるケースあり)
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壁を抜く(それが耐力壁だった場合)
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浴室の拡張(配管や断熱が影響)
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屋根裏の改造(固定階段や窓をつけた場合)
これらは“見た目には軽い工事”でも、構造や安全性に関わる内容が含まれるため、自己判断は危険です。
「やってしまってからでは手遅れ」になる前に、迷ったら一度プロに相談することをおすすめします。
じゃあ、安くて安全なリフォームってどうやるの?
ここからは、確認申請で引っかからず、コストを抑えて住まいを整えるコツをお伝えします。
🌱 コツ①「DIYでやる部分」と「プロに任せる部分」を分ける
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クロスや床 → 自分で
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壁の位置変更や断熱改修 → 専門業者へ
DIYも上手に使えば、数十万円単位で節約できます。
ただし「無理しない」「構造は触らない」が鉄則です。
🌱 コツ② すべてを一気にやらず「段階的に」進める
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最初は住める最低限だけ整えて、残りは後から
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住みながら「本当に必要な改修」を見極める
焦らず進めることで、ムダな工事やコストを避けられます。
🌱 コツ③ 補助金制度や地域支援を活用する
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耐震改修、断熱リフォーム、バリアフリー工事などに補助金が出るケースあり
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自治体によって制度が異なるため、早めに調べるのが吉
最後に|“やりたい工事”が“やってもいい工事”とは限らない
「ちょっと壁を動かしたいだけなのに」「使わない部屋を寝室にしたいだけなのに」——
そんな小さなリフォームでも、建築基準法の視点ではアウトになることもあります。
でも、逆に言えば、ルールの範囲内なら自由にできることもたくさんあるんです。
そのためには、「どこからが危ないラインか」を正しく知っておくことがとても大切です。
「これ、確認申請いりますか?」と思ったら
私たちは、実際に中古住宅を扱う現場で、確認申請の判断やDIY相談に多く関わっています。
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「これってDIYでいける?」
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「この壁、抜いてもいいの?」
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「できるだけ費用を抑えたいけど安全にしたい」
そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。
びっくりするほど聞かれたことしか答えないのがモットーですが(笑)、的確な判断をお伝えできると思います。
📩 ご相談はこちらから → 大工のおっちゃん工房